★新型コロナ 制限解除

新型コロナ感染症予防のため、対面での面会を中止させていただいております。
リモート面会を導入しましたので、ご検討ください。詳しくは コチラ
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2021年8月2日月曜日

今年もポスター作りました♩

  

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回生病院では、令和2年5月から、Facebook をしています。

よりフレッシュな情報や小ネタ(?)を随時更新中。

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こんにちは。

平成29年7月に開始したスマープも、この7月で満4歳となりました。

(スマープってなんぞや? という方は コチラ


4歳の子といえば、可愛いけど大変!大変だけど可愛い!なんのこっちゃ!

そんなスタッフの愛をこめて、5年目の記念にポスター第2弾を制作しました。

(第1弾のポスターは コチラ

 

読めば分かりますが、思いっきり方言丸出しです(笑)
 

 

ここだけの話、ポスターの本文ははじめ標準語にしていました。

試し刷りを見た、通りすがりの看護部長が、

おふざけで博多弁に言い換えながら読みひとこと

「あのさ、これ誰が見るん? ここ辺に住んどる人たちやろ?なーん気取っとん」

(あのですね、これは誰が見るのですか? この辺にお住いの人たちですよね? 何を格好つけてらっしゃるのでしょうか)

…はひ、確かに!

 

そこから、いろんな職員 をつかまえて に意見をつのり、

博多のみならず地元民の言葉を混ぜ込んで、完成させました。

スマープのスタッフだけでなく、多職種連携で制作したポスターですっ。

 

デザインも「ああでもない」「こうでもない」

= = = = = =

 

スマープのスタッフになって4年。

日頃メンバーと接して思うのは、

依存症の人が、いつもいつも薬物のことばかり考えているわけではなく、

私たちと何ら変わらない、ふつうの人だということ。

 

何もないのにいきなり薬物がほしくなるのではなく、

その前に何かしら、心に傷がついたり、穴が開いたり、隙間ができたりしていて、

穴や傷を埋めるための糊やバンドエイド代わりに、

薬物を使ってきた(使っている)人が多いということ。

 

薬物をやめてすぐの人の中には、これまで薬物が担っていた役割を、

何に求めればいいのか、途方に暮れてしまう人もいるということ。

 

これまでのスマープの中でも、そういった心の穴をどうするかをテーマに、

何度もメンバーと話し合ってきました。

これは、薬物依存症の方にとって、きっと永遠のテーマなのだと思います。

 

ポスターにあるように、特効薬や万能薬はありません。

でも仲間やスタッフといっしょに考えることで、

オリジナルの「穴の埋め方」を見つけられるかもしれない。

それを願って、ポスターを制作しました。

 

= = = = = =

 

こうしてできたポスターは、一等地である外来前の白い壁に貼りました。

営繕のスタッフが、草刈りで忙しい合間をさいて、

アクリル板でかっこいいポスター台を作ってくれました。

ほんとに、多職種連携で作りあげたポスターなんですよっ!

(大事なことなので2回ほど言いました)


外来ロビーの一等地です。


薬物を糊(のり)代わりに心をつないできた人が、

一人でも多く、薬物がなくても大丈夫になる日がきますように。

5年目のスマープも、よろしくお願いします。

 

2020年12月23日水曜日

聖なるスマープ

  

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今日は外来スマープの日でした。

1年の締めくくりは、クリスマープパーティーです。


前準備風景。
殺風景な部屋も、しだいにXmasっぽい雰囲気に


スマープのスタッフ的に、一年で一番気合が入るクリスマス会。

みんなに喜んでもらいたい!といいつつ、一番楽しみにしているのはスタッフかも?


だがしかし、クリスマスだからといって、

ルンルンお菓子やケーキを食べるだけの会ではありませんよ(゚д゚)クワッ


1年のしめくくりの会でもあるので、みんなでこの1年を振り返ったり、

来年の抱負を立てたり、年末年始を安全に過ごす対策を考えたりしました。

 

今年からスマープに通いだした人も複数人います。

断薬初心者マークの人がいる一方で、

この日のメンバーには、断薬期間が約3年の人が2人いました。

 

「ここでいう断薬というのは、服役や入院は含みません」とは心理士の池畑さん。

「断薬期間は、社会の中で自らが『やめる』行動を選択し続けている期間をさします。

 それが3年つづいているというのは、とても大きなことなんですよね」

コツコツと積み重ねた3年間、石の上にも3年です。

 

ケーキを食べながら、ゆく年を振り返ったあとは、くる年の抱負を語ってもらいました。


・休まず通院する。

・人並みの生活をめざす。

・生活リズムをくずさない。

・禁煙もがんばる。

・すこしやせる。

 などなど。


抱負の立て方が、あまり自分でハードルをあげすぎず、いい感じ。

抱負や目標を考えるときは、つい気合が入りがち。

(私もそう!そして息切れして挫折してしまう( ;∀;)

 

「大切なのは【スモールステップ(達成しやすい目標)】を意識すること。

 たとえば、最初から“一生断薬”と大きな目標をかかげると、

 先が遠く感じて気持ちがしんどくなります。

 『まずは1日やめよう』→『つぎは1カ月を目標にしてみよう』…など、

 手が届きそうなところから始めてみるといいですね」(池畑さん)

 

よし、私も来年の抱負は「すこしやせる」に決定だ!

(ただしお正月が終わってから←え

 

最後にお決まりの記念撮影をしました。

ちなみに、スタッフは会のあいだも、ずっとトナカイとサンタに徹していました

(そしてみんなスルーっていうね。

 

2020年10月12日月曜日

院内スマープ、修了回でした。

 

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当院では、外来の薬物依存症の方むけの集団精神療法スマープとは別に、

入院患者さん向けの院内スマープも行っています。

 

院内スマープは、全14回でワンクール修了し、メンバーが入れ替わります。

先日は、その院内スマープ第2クール目の、修了回(14回目)でした。

 

この日は「引き金と対処法」について学びました。

 


ワークでは、自分にとっての「引き金」とその「対処法」について考えました。

使いたくなるきっかけ(引き金)は、本当に人ぞれぞれ。

自分たちで対処法も考え、自分専用のテキストをつくりあげていきます。

 

心理の池畑さん:

「退院後は、今よりたくさんの引き金に気付くことになると思います。

 その都度、ここに付け加え、対処法まで考えておいてほしいです」

 


また池畑さんは、これまでの回の中で、繰り返し伝えてきたことがあります。

『嫌なことがあった』『ストレスがたまった』『寂しい』などに直面したとき、

 以前なら、薬物でごまかすことが当たり前だったかもしれない。

 薬物を断つからには、嫌なことやストレスなど、全部自分で請け負うことになる。

 代わりになる何か(アルコール等、他の依存物質ではなく)を探すことも大切」

  


  

上記の写真のワーク中、『依存症的思考(再発を正当化する考え)』について

「苦しくて、使ったら楽になれると感じたとき」と書いている人がいました。

 

これについても、さきほどの池畑さんのコメントにあるように、

今後は「薬物」ではなく、自分で請け負っていかなくてはなりません。

 

「苦しさが耐えられないくらいなってしまうと、欲求を抑えるのは大変なので

 苦しさがまだ小さいうちに、解消していくことが大切です。

 それでも、どうしても苦しくて薬物に頼りたくなることもあるかもしれません。

 早めに受診をする、普段から何でも話せる人や場

 (自助グループや外来スマープなど)をもっておき、相談するなど、

 ストッパーになるものを考えておいてほしいです」

と伝え、メンバーは頷きながら、真剣に耳を傾けていました。 

 


 

全14回、すべて終わり、最後のシールをはりました。

金ぴかの「よくできました」シールです。 

自分がたどってた歩みが、しっかり形になって残ります。



一人ひとりに、池畑さんから修了証書が渡されました。

退院が近い方もいらっしゃいます。

自分で作り上げたテキストと修了証書が、退院後の回復の支えになりますように。

 

2020年7月17日金曜日

スマープに参加しませんか?

  

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みなさんこんにちは。

いきなりですが、このたび、スマープの告知ポスターを作りました! 

スタッフ間で喧々諤々(けんけんがくがく)議論を重ね、

ちょっとばっかりいい感じにできあがりました。

 

さわやかなイメージにするため、ブルーを基調にしてみました♩

さらに、スマープのことをちょっと詳しく説明するためにリーフレットも作成。

スマープのメンバーにも検閲してもらって、完成しました。


スマープの概要をギュッとしぼって作ったリーフレット。


この機会に、スマープの売りのひとつ、

自助グループ的側面について、お伝えしたいと思います。


薬物依存症は、薬物への耐えがたい欲求が生まれる脳の病気。

「やめるぞ!」と意志を強くもち続けることは、とても難易度が高いです。

はい、なので、強く意志をもつのはやめて……もとい💦発想を変えて

そもそも「強い欲求が出てくる状況をつくらない」ようにする戦法をとります。

「強い欲求が出てくる状況をつくらない」ためには、心身のバランスを整えること。

 

強いストレス ⇨ 心身のバランスをくずす ⇨ 使いたくなる ⇨ 使っちゃえ


ではなく


強いストレス ⇨ そっと降ろす ⇨ 心身のバランスを安定させる


とはいえ、、そんなに簡単ではないですよね。強いストレスは、とても厄介です。

とくに、薬物依存症の方がかかえるストレスのひとつに、”孤独感”があります。

家族や周囲とのつながりが希薄になることで生まれる寂しさ、

疑いの眼差しや理解してもらえない疎外感…


薬物からの脱却をはかる人の心には、いろいろなストレスがふりかかっています。

家族であっても、友達であっても、医療者であっても、

こうした孤独感の深いところまでは、理解しえないものです。

 

そこで活躍するのが、同じ経験をもつ「仲間の存在」です。

 

仲間がいることは自助グループの強みであり、スマープを例にしていえば

メンバー間で、共通して経験する「ストレスあるある」を出しあって、

「わかる!」と盛り上がったり、家族との軋轢を相談して解決策をねったりしながら、

ガス抜きをはかっていて、仲間の存在が、ストレス軽減になっているように見えます。


またメンバー間で、

欲求へのストッパーとしての役割を果たしあっているエピソードが、時折聞こえてきます。


長い人生、心のバランスはいつも凪(なぎ)ではなく、心がさざ波だつこともあります。

薬物を使いたいと思う瞬間は、それぞれにあるようです。

そしてそれは、

(薬物とは無縁の)家族や近しい人には、なかなかぶっちゃけて言えない気持ちです。。

 

そんなとき、安心して

「使いたいよ」

と言えて

「わかるよ。でも…やめとこうか」

と受けとめて返せる。

 

心の本音を言っても、怒られたり悲しまれたりすることなく、わかってもらえる。

これだけで、救われるときもあるそうです。


こうしたやりとりは、

経験者であり、ともに回復の道をすすむ人同士でしか成り立たない会話です。 

医療者と患者さんの間には、簡単にはできない絆のようなものがあるから。


やめたいと思っている仲間の存在は、意義のあるものだと、スタッフは感じています。

 

 

スマープには、ほかの自助グループにはない利点もあります。

病院が主催することで「参加メンバーの心身の不調に気づきやすい」という点です。

集団精神療法の専門研修を受けた心理士・看護師が専任スタッフとして常駐するため

依存症からの回復の知識を共に学んだり、

精神状態が不安定になったときに、すぐに医療とつながることができます。

 

 

自助グループや、病院の力を借りることは、

回復の道のりを、よりよいものにする助けになるはずです。

 

もしも、薬物をやめたいと思っていて、

でも、自分ひとりで立ち向かうことに限界を感じている人がいるならば

 

\ スマープに参加してみませんか /

2020年6月12日金曜日

スマープ、再開!


みなさんこんにちは。
コロナウイルス感染症予防のため、4月から休止していたスマープ。
6月から再開となりました。

当院のスマープは自助グループ的な意味合いもあるので、
先の見えない自粛期間(しかも不要不急の外出が禁止でしたね)に
参加者のみなさんの、心の状態が気になりました。

休止期間中は、週一度、メンバーへのフォローメールや電話で
「変わりはないですか」と、繋がりを保つようにしてきました。

それでも、やっぱり、顔が見え、いっしょに考えたりできるほうがいい。
スタッフは、スマープの再開を心待ちにしていたのです!
(鼻息荒くてすみません)



この日は、7人のメンバーが参加してくれました^^
お久しぶりの方や、はじめましての方もいて、にぎやかでした。

そんな皆さんをコロナの危険に合わせるわけにはいかないので
換気、適度な距離、消毒などを、徹底しましたよ。

もちろん、患者さんもスタッフもマスク着用です。


いつもの2倍、机を繋げて、3密を避けました
喉を潤す飲み物&マスクでも大丈夫なアメをお供に


スマープに通い始めて10回目となった方に、表彰状を授与。

公認心理師の池畑さんから渡します


「正直、ここまで通うとは思ってなかった~」と、はにかみます。
気づけば、10回。
休止期間もはさみつつ、通い続けてくれて、ありがとう。


さて、この日のテーマは  "強くなるより賢くなれ" でした。

メンバーの半数以上が、
薬物のことで「意志が弱い」と、家族や周囲から言われた経験がありました。
では、意志が強ければ、薬物依存症はどうにかなるのか?

公認心理師の池畑さんは、ネズミの実験を例に出し

「本来ネズミは、敵に見つからないよう暗がりを好む習性があるけど、
 明るいところで薬物を与え続けると、明るい場所に出てくるようになる。

 本能を超えてくるような強烈な回路を脳につくるから、
 意志の強さだけで、回復しようとするのは難しいんですよね」

意志の強さよりも、賢くなること。IQのことでは、ありません。
薬物を使用したくならないよう、安全に生活するための知恵を知り、
それを実生活で、コツコツ実行していくことです。


自分の場合はどうか。考えながら書いていきます

久しぶりのワークでしたが、考えながら、意見交換をしながら
真剣に取り組んでいました。


2020年5月29日金曜日

信頼の回復


とある患者さんが、ある日のスマープで
「いまは使っていないのに、家族から疑われる」と言っていました。


そのときに、臨床心理士の池畑さんが、このように説明していました。


「薬物やアルコール等の依存症の回復には順序があって

 体から薬物やアルコールが抜けると、まずは体の状態が回復していきます。
 つぎに、心の状態も、徐々に回復していきます。

 周りからの信頼。これが、最後の最後に回復します。
 一番最後で、時間がかかるものなんですよね」






体も心も、自分のものですので、回復の過程は、実感がともないます。

自分自身の回復と、家族や親しい人からの信頼の回復にかかる時間差に、
もどかしい気持ちを抱えている患者さんも、いらっしゃいます。

行動を疑われたり、監視されたり、制限されたり、それがもとで衝突したり、
反対に、疎遠になってしまったり、関係性が悪化して悲しい気持ちをしたり、
悩みやストレスを抱えている方も、いるかもしれません。


こうした葛藤は、依存症の回復の過程において、誰しも、起こりうることです。


まわりからの信頼については、相手があってのことですので、
直接、どうにかすることはできません。


ですが、あなたが歩みを止めない限り、いつかは少しずつ回復していくものです。

回復の道を着実に歩んでいるということを、大切な人に示す行動として、

・通院や服薬をつづけること
・自助グループ等に参加すること

これらは、とても有意義な方法です。
こうした「行動」は、言葉よりも分かりやすく、相手に伝わります。


もしも、家族や親しい人との関係に、思い詰めてしまうようでしたら、
「信頼の回復は時間がかかって当然のことだ」と、
フラットな気持ちでいるようにしてください。
(関わるのがつらいときは、可能ならば、少し距離を置きましょう)


そして、そんなときだからこそ、投げやりになることなく、
自分のいまの頑張りを、認めてあげてください。


2020年3月25日水曜日

スマープ、ラスト

 
みなさんこんにちは。

卒業式シーズンですね。
当院でも、明日子どもさんが卒園式を迎えるというスタッフがいます。
コロナの影響で、式の縮小はあるようですが、
節目であるには変わりなく「明日は絶対泣く!」としみじみ言っていました。


卒業、といえば
今日のスマープを最後に、いったん一区切りのメンバーがいます。
(スマープってなんぞや? という方は コチラ

スマープは学校とは違い、今後もいつでもウェルカムなので、
卒業といってしまうのは、ちょっと違うのかもしれません。

定期的に通ってくださっていたことを考えれば、
かぎりなく卒業に近いのかな、とも思います。

スタッフ間で、何かしっくりくる言い方はないか考えて、
「スマープの休眠期に入った」ということにしよう、となりました。

言葉ひとつのニュアンスの問題なのですが、
それほど、このAさんの ”休眠” は、スタッフにとって、感慨深いのです。

スマープにこなくなった方は、ほかにもいますが
症状が安定していて、次のステップに移るために休眠する、
という方は、Aさんが初めてとなります。


また、Aさんは、H29年7月のスマープ開始以来、
ずっと通ってくださっていた初期メンバーのひとりです。

コツコツと、誰よりも多く回数を重ね、スマープを支えてくれました。


スマープに通い始めた当初は、「薬物を使いたくてきつかった」そう。
気持ちの波も、大きく揺れ動くこともあったようです。

でも、いつからか、スマープで仲間ができ、
薬物を使いたいと思う頻度が減っていき、心も安定してきました。


そんなAさんに、目標ができました。子どものころからの夢だそうです。

その夢をかなえるための準備に入るため、今回、スマープの休眠となりました。
スマープは休眠とはなりましたが、通院は今後も続けるとのこと。


夢の道のりは、私には想像はつきませんが、きついこともあるでしょう。
メンバー・スタッフ、誰が見ても、まじめで頑張りやなAさん。
疲れたときは、すこし休憩しつつ、ご自分のことも、いたわってほしいです。


blogのタイトルの「ラスト」
最後 という意味が有名ですが 続く という意味もあるんですって。

スタッフは、いつでも、Aさんを応援し続けます。
スマープに顔を出したくなった時は、いつでも、ウェルカムですからっ!

Aさん、スマープを長い間支えてくださり、ありがとうございました。
また今度、夢の続きを聞かせてくださいね^^


2019年12月25日水曜日

メリークリスマ・スマープ!

 
メリークリスマス!
今日はクリスマスですね。そして、今年最後のスマープでもありました。
(スマープってなんぞや? という方は コチラ


☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

今年最後のスマープがクリスマスと重なる、と分かった日
これは、もう、クリスマス会をするしかないでしょう!と鼻息荒いスタッフ。

いつもは、一口サイズのお茶菓子ですが、
この日のために、8号サイズの立派なクリスマスケーキを準備しました。

お財布(経費 をにぎるボスに直談判したケーキ
食べかけの写真でごめんなさい><


ささやかながら、飾りつけをし、いつもよりちょっぴり豪華なお菓子と、
いつもは冷たい缶コーヒーですが、ホットな飲み物も準備♪

なかなか全員がそろう機会もないのですが、この日は、所属メンバーがほぼ揃い、
にぎやかに、なごやかに、はじまりました。



1年を振り返っての感想を聞いてみると
「仕事を始めた」「自分のペースで少しずつアルバイトをしだした」
「資格の勉強をしだした」などなど、” 変化 ” の年になった人もいました。

変化といえば、こんな方も

これまで、入院したり捕まったりしても、また使おうと思ってきたけど
スマープに通っているうちに、みんなと話をしているうちに、
「手を出さない」と思うようになった。
(実際、この1年、薬物を使うことなく経過、最長記録)

同じように、
スマープにきだして、初めて、薬物を使ったらだめだ、と思うようになった。
という人もいました。


こうした心境の変化は、スタッフが生み出せるものではないんですよね。

ほかの人の話を聞いたり、心を通わせるようになっていく過程で
同じ思いを抱えるメンバー間だからこそ、生み出せるものです。

私たちは、そうしたメンバー一人ひとりの変化する足取りを、
間近でみさせてもらっており、貴重な経験をさせてもらっています。


最後に、一人ずつ、来年の目標をいってもらいました。
仕事をしたい、という意見もけっこうありましたが、
「無理のない範囲で」「現状維持もしながら」と、地に足の着いた目標で、
そんなメンバーを、頼もしく思ったスタッフでした。

来年は、忙しくて、なかなかこれなくなりそうな人もいますが、
「もしも精神的にきつい状態になったら、駆け込み寺的にスマープにきます」
と言ってもらえたのも、嬉しかったです。


みなさん、今年1年、お疲れさまでした。
来年も、がんばりすぎず、スモールステップで、やっていきましょうね!


2019年7月1日月曜日

家族教室のすすめ



先日の スマープの記事 でも出ましたが、
薬物依存症(アルコール依存症の方はアルコールに置き換えてください)の方は、
薬物を使わなくなった後も、家族との関係で、問題を抱えがちです。


よくある問題のひとつ、家族に薬物使用を疑われるケースをほりさげます。

たとえば、1年やめているとして

本人さんは、「こんなにやめられている」
家族は、「いまはやめているけど、また使うかもしれない」

と、感覚にズレが生じていることもあります。



家族は、本人さんが薬物を使用していたこと、一番身近で見ています。
家族も、苦しんだり悩んだりしています。

本人さんが、薬物を使用しなくなった後も、
つらかった記憶が、リセットされるわけではありません。


「ちょっと外出してくる」
「友達と会ってくる」

こうした 行動だけ を見て、

「もしかして、外で薬物を手に入れるのでは?」
「薬物仲間と会うのでは?」

と、疑心暗鬼になってしまう心情も、理解できます。



一方で、本人さんの心の動きはどうでしょうか。


やめてから、苦しい時があったけど、いまは安定している。
でも家族から疑いをかけられた途端、

「信用されてなくてショックを受けた」
「ちょっとずつ積み上げてきた自信が、崩れていきそうな感覚になった」

こうした心情も、とても理解できます。




「一度うしなった信頼を、取り戻すのは時間がかかるんですよ」
という声が聞こえてきそうです。

たしかに、信頼回復は大変ですし、近道はありません。

たとえば
通院や自助グループに通いつづける、というのは、治療に役立ちますし、
こうした目に見える積み重ねは、家族にとっても安心感につながります。

でも、家族の信頼を得るため、安心してもらうために、

外に出ない。
友達とも会わない(たとえ薬物仲間ではなくても)。

こんな生活を続けることは、はたして健康的といえるでしょうか。



薬物依存症からの回復において、過度なストレスは大敵です。
家族関係の悪化も、ともすると過度なストレスとなりえます。


お互いに無理しすぎることなく、信頼度を高めるためにはどうすればいいのか。

まずは、本人さんも家族も、正しい知識を得ることが、第一歩です。


「薬物を使ったのは本人であって、家族は関係ないはず」

そんなことはありません。
本人さんにとっても、家族にとっても、敵は ”薬物依存症という病気” です。
敵と立ち向かうには、まず相手のことを良く知ることって、言いますよね。

一番いいのは、家族の方に、薬物依存症の家族教室に参加してもらうことです。

「そういうとこに行けば、”自分の家族が薬物依存症なんだ”という現実が突きつけられる気がして、家族は行きたがらないと思う」
そう言った本人さんがいました。


たしかに現実を知ることは勇気がいるかもしれませんし、
家族関係の改善については、ケースバイケースではありますが、

家族教室は、薬物依存症に対する正しい知識や
薬物依存症の方に対するコミュニケーションの取り方も学べる場であり
心が軽くなったり、プラスになることの方が多いです。

もちろん、プライバシーも守られます。




薬物依存症で、家族との仲が険悪になって、そのまま疎遠になる方もいます。

でも、家族に薬物依存症のことを正しく理解してもらって、
お互いに信頼しあえる関係に、少しずつでもなれたら、
本人さんにとって、これ以上の 支え はないはずです。


「本人にどう接していいかわからない」
「また使うのでは、という不安がある」

そんな家族さんが目の前にいらしたら、
損することはないので、一歩、動いてみては? と、声をかけたいです^^



今回は、本人さんが現在、使用していない場合を想定してみましたが、
本人さんが薬物問題をかかえて苦しんでいる最中のご家族にとっても、
家族教室は、とても有意義な機会であるといえます。

福岡県や北九州市では、家族向けに無料の家族教室を開いています。
下にリンクを貼っておきますので、気になる方は、のぞいてみてください。


福岡県精神保健センター 薬物依存症 家族教室
北九州市立精神保健福祉センター 薬物依存症 家族教室




2019年6月24日月曜日

ある日のスマープ ~家族との関係~

 
みなさんこんにちは。
回生病院では、毎月第2・第4水曜日に、スマープを行っています。
スマープってなんぞや? という方は コチラ


☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


この日のスマープでは、”家族との関係” について、悩んでいる方がいました。
とてもストレスがたまっている感じでしたので、
テーマを急きょ変更、家族との関係について ディスカッションです。


Aさんは、薬物をやめて数年たっているけれど、
いまだに、使っているのではないか?と疑われて、険悪になった。
(プライバシー保護のため、要約しています)

とのこと。表情からも、やるせない気持ちが伝わってきます。

「あ~、分かる~!」

Bさんが、実感込めて共感の声をあげました。

この日、家族といっしょに暮らしているメンバーは3名いましたが、
3名とも、しばらく使っていないのに、疑われたことがある、とのこと。
 
実は、こういう悩みは、家族との関係”あるある”なんですよね。

疑われて嫌だった、というAさんですが、
家族がどうしてそう思うのか、について思いをはせる発言もありました。

話の流れから、同居家族がいるメンバーは、みな思うところがあるようで、
家族あるある大会に。

今度はBさんの悩みを聞いたCさんが、
「その状況でよくがんばったね」とねぎらいの言葉をかけました。

(こうして悩みを吐き出せて、共感されたり、認めてもらえたり。
 スマープの自助グループみたいな役割の部分なんですよね)


ふむ。
家族との関係は人それぞれですが、そこに「薬物」がからむと、
より難しくさせることがあるようです。

臨床心理士の池畑さんからは、家族教室というものがあるよ、と提案。
まずは、家族に薬物依存症の事をただしく理解してもらうと、
お互いにストレスをためることが軽減できるのでは、ということでした。
(家族教室については、また次回)

家族との関係って、簡単なようで難しいですね。
・・・私もときどき思います(汗


2019年6月20日木曜日

第2・第4水曜日は、スマープの日

 
みなさんこんにちは。
もう6月も後半なのに、なかなか梅雨が始まりませんね~。


回生病院では、第2・第4水曜日に「スマープ」を行っています。
スマープというのは、薬物依存症の方のための、外来集団療法です。

どんなことをするか、ざっくり言いますと

回復するために必要な知識・考え方・行動の仕方などを身に付けたり、
それぞれの患者さんが、そのとき抱えている悩みを相談したりと、
さまざまな角度から、回復を支援するプログラムです。
(ざっくりしすぎ?)


クスリをやめたいけど、どうしてもやめられない。
いまはやめれているけど、使いたくなるときがあり不安。

そんなあなた。
「やめたい」という気持ちがあれば、スマープは、ウェルカムです。


スマープの目標は、やめる ことではなく、やめ続ける こと。
一瞬やめられても、それを続けることって、本当に難しいですよね。
まわりに理解者がいなければ、よりいっそう難しい。

家族との関係、お金のこと、仕事、将来のこと・・・・
薬物依存症ならではのあるあるな悩みが、使うきっかけになることも。
やめ続けることは、ほんとうに、並大抵ではないんですよね。

だからこそ、

定期的に集う場所がある。
同じ思いをもつ仲間がいる。
困ったときに相談できる仲間・医療者がいる。

あなたにとって
スマープがそんな場になるために、スタッフも日々取り組んでいますよ。

薬物についての問題や不安をかかえている方、
なにより、「やめたい」という気持ちがあるならば、参加されてみては?
お茶菓子を用意して、お待ちしています^^



☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 
 スマープ プロフィール
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


<スタッフ> 4名:心理士2名、正看護師、アシスタント

<開催日時> 毎月第2・第4水曜日 10:30~12:00

<参加条件>
・当院の外来を受診したことがある方
 ※はじめての方は、受診をお願いしています。
・薬物依存症で、外来での診療ができる方
・グループ(数名~10名程度)でのプログラムに抵抗がない方

 受診の際に、「スマープを受けたい」とお申し出ください。
 
 

あらためまして、よろしく♩

  みなさんこんにちは。 回生病院のブログは、2011年に開設して以来、ずっとココログで投稿を続けていましたが、2019年4月より、こちらのBloggerさんにお世話になることになりました。   過去の記事は、2011年3月~2019年3月までの分は、これまでどおり、 コ...