★新型コロナ 制限解除

新型コロナ感染症予防のため、対面での面会を中止させていただいております。
リモート面会を導入しましたので、ご検討ください。詳しくは コチラ

2020年7月17日金曜日

スマープに参加しませんか?

  

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みなさんこんにちは。

いきなりですが、このたび、スマープの告知ポスターを作りました! 

スタッフ間で喧々諤々(けんけんがくがく)議論を重ね、

ちょっとばっかりいい感じにできあがりました。

 

さわやかなイメージにするため、ブルーを基調にしてみました♩

さらに、スマープのことをちょっと詳しく説明するためにリーフレットも作成。

スマープのメンバーにも検閲してもらって、完成しました。


スマープの概要をギュッとしぼって作ったリーフレット。


この機会に、スマープの売りのひとつ、

自助グループ的側面について、お伝えしたいと思います。


薬物依存症は、薬物への耐えがたい欲求が生まれる脳の病気。

「やめるぞ!」と意志を強くもち続けることは、とても難易度が高いです。

はい、なので、強く意志をもつのはやめて……もとい💦発想を変えて

そもそも「強い欲求が出てくる状況をつくらない」ようにする戦法をとります。

「強い欲求が出てくる状況をつくらない」ためには、心身のバランスを整えること。

 

強いストレス ⇨ 心身のバランスをくずす ⇨ 使いたくなる ⇨ 使っちゃえ


ではなく


強いストレス ⇨ そっと降ろす ⇨ 心身のバランスを安定させる


とはいえ、、そんなに簡単ではないですよね。強いストレスは、とても厄介です。

とくに、薬物依存症の方がかかえるストレスのひとつに、”孤独感”があります。

家族や周囲とのつながりが希薄になることで生まれる寂しさ、

疑いの眼差しや理解してもらえない疎外感…


薬物からの脱却をはかる人の心には、いろいろなストレスがふりかかっています。

家族であっても、友達であっても、医療者であっても、

こうした孤独感の深いところまでは、理解しえないものです。

 

そこで活躍するのが、同じ経験をもつ「仲間の存在」です。

 

仲間がいることは自助グループの強みであり、スマープを例にしていえば

メンバー間で、共通して経験する「ストレスあるある」を出しあって、

「わかる!」と盛り上がったり、家族との軋轢を相談して解決策をねったりしながら、

ガス抜きをはかっていて、仲間の存在が、ストレス軽減になっているように見えます。


またメンバー間で、

欲求へのストッパーとしての役割を果たしあっているエピソードが、時折聞こえてきます。


長い人生、心のバランスはいつも凪(なぎ)ではなく、心がさざ波だつこともあります。

薬物を使いたいと思う瞬間は、それぞれにあるようです。

そしてそれは、

(薬物とは無縁の)家族や近しい人には、なかなかぶっちゃけて言えない気持ちです。。

 

そんなとき、安心して

「使いたいよ」

と言えて

「わかるよ。でも…やめとこうか」

と受けとめて返せる。

 

心の本音を言っても、怒られたり悲しまれたりすることなく、わかってもらえる。

これだけで、救われるときもあるそうです。


こうしたやりとりは、

経験者であり、ともに回復の道をすすむ人同士でしか成り立たない会話です。 

医療者と患者さんの間には、簡単にはできない絆のようなものがあるから。


やめたいと思っている仲間の存在は、意義のあるものだと、スタッフは感じています。

 

 

スマープには、ほかの自助グループにはない利点もあります。

病院が主催することで「参加メンバーの心身の不調に気づきやすい」という点です。

集団精神療法の専門研修を受けた心理士・看護師が専任スタッフとして常駐するため

依存症からの回復の知識を共に学んだり、

精神状態が不安定になったときに、すぐに医療とつながることができます。

 

 

自助グループや、病院の力を借りることは、

回復の道のりを、よりよいものにする助けになるはずです。

 

もしも、薬物をやめたいと思っていて、

でも、自分ひとりで立ち向かうことに限界を感じている人がいるならば

 

\ スマープに参加してみませんか /

2020年7月10日金曜日

課長! お疲れさまでした。〈後編〉

 
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6月末で勤務を終えた井上看護課長との日々。
前編は患者さんとのかかわりについてお伝えしました。

後編は、われわれスタッフとのかかわりにスポットをあてます。


スタッフとの日々 =・=・=・=・=・=・=・=・=・= 


いろんな部署で、課長のことを教えて!と聞きに行くと、
7年前 に取材した時と変わらず

「地獄耳!」「小さいのにマイクいらず(声がでかい)」という軽口はもちろん、
「やさしい」「料理上手」「なんでも手作り」「決断が速い」「聖徳太子の耳」
「職員の考えを尊重してくれる」などなど、課長への賛辞が出てくるでてくる。

なかでも
「相談事があると、しっかり話を聞いてくれる懐の深い人」
という意見があり、私も大いに賛同しました。

なぜなら私も、他部署ながら、仕事のこと(から子育ての悩みまで!)を相談し、
鼓舞していただいたひとりだから。
患者さんとの距離感や、感情の押し付けにならないような気配りの仕方など、
ところどころで、教えていただきました。

きっと、他のスタッフも、課長から学んだことは多いはず。



課長のスタッフへの愛は、こんなところにも表れていました。

とある女性スタッフが、患者さんとのレクレーション中に転倒し、
腕を骨折してしまったことがあったのですが、
数日後、その腕には、女性らしい生地であしらえた固定用アームホルダーが。

聞いたところ、課長が作ってくれたのだと。
無機質な黒のホルダーが多い中、腕が痛み気分が落ちがちなスタッフのために、
少しでも気分が明るくなるよう可愛い布で手作りしたとのことでした。


また、コロナでマスク不足が深刻な折には、布マスクを何十枚と制作して配ったり。

私も「子どもちゃんに」とミニマスクをいただきました。
マスクを嫌がる息子も、かわいくて肌触りのいい課長のマスクはOKで、
親としても、ほんとうに助かりました。


課長の布マスク


そんな課長、当院での勤続25年でした。いまの心境は?


やりきった感は、あります。
でも私はスタッフに対して、厳しいときもあった(笑)と思うので、
それぞれの部署が、最後こうして温かく送り出してくれたことに、
びっくりと同時に感謝しています


課長を慕うスタッフが、各所でセレモニーを用意していました。
そのひとつひとつを写真に収めながら、課長がどれだけのスタッフを気にかけ
またスタッフからも信頼されていたかが、分かるようでした。

いつもの現場、病棟
いつもの現場、病棟にて

ロビーにて
患者さんを迎えるロビーにて

作業療法室にて
作業療法室にて。椅子の高さは思いやり^^

感謝の胴上げ
男性陣から、感謝の胴上げ


キープディスタンスで、ぎゅっと集まって撮影できなかったのが心残り。。

「こんだけされたら、逆に泣けないよね」と、マスク越しにも屈託なく笑います。
涙目になっていたスタッフも、つられて笑顔になるほどに。


ああ課長?
残る私たちに、なにかエールをぐだざい(TT)


いままで、去る職員がいると、
その人が、あの部分をフォローしてくれていたんだな、と、 
改めて気づかされることがありました。
 
自分たちが動いているその裏にはまた、 
おなじように、役割をはたしている人がいるんですよね。
 
ひとりではできないのが看護という仕事。
患者さんの闘病生活を円滑に支えるためにも、
フォローしあう気持ちをもって、これからも頑張って!



課長が、安心して第二の人生を満喫できるよう、私たち頑張ります! 

回生での25年間、おつかれさまでした。



2020年7月3日金曜日

課長! お疲れさまでした。〈前編〉

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当院には、お母さんのように厳しくも温かい看護師がたくさんいますが、
なかでも、「母ちゃんの中の母ちゃん」的存在の看護師がいます。
 
井上看護課長です。
旧・病院ブログでも紹介したことがあるので、2度目のご登場。
 
回生病院に入院経験のある患者さんなら、知らない人はいないはず。
 
 
体はSサイズ、でも存在感はLLLサイズ。


ご覧の通り、小柄ながら、いつでも元気いっぱい。
遠くにいても、どこにいるかすぐに分かるほど、通る声。


そんな課長、7月いっぱいで定年退職となり、6月末が勤務最終日でした。

いやだー! と言いたいのは山々ですがお口チャックで、
課長との日々や感謝の気持ちなど、2回にわけてお伝えしたいと思います。

 
 
患者さんとの日々 =・=・=・=・=・=・=・=・=・= 
 
 


「〇〇さん、ちょっと爪切らせてくれる~?」

そっと寄り添い、患者さんの爪を切りながら、
「体調良くなって、よかったねぇ。ご家族の〇〇さんも、安心しとると思うよ~」
まるで世間話をするように語りかけます。
 
ふだんの課長の声の大きさからすると、静かでしみじみしたトーン。
 
 
ここは、回生病院の閉鎖病棟。課長が働く現場です。
当院に入院後間もない方や、精神状態がまだ十分に整っていない方などが
多くいらっしゃいます。
 
依存症や精神疾患といっても、抱えている問題や辿ってきた道、
こまかな精神症状など、「人によってさまざま」だと知ったという課長。
そんな中でも、共通して ”訪れる瞬間” があるということに気づきました。


入院したての頃、しかめっ面だったり、こわばっていた顔が、 
変わってくる時期がきます。 
 
それを見逃さないようにして、そんな患者さんには、
「いい顔になってきたね~」と声掛けをするようにしてきました。 
 
自分のことを、こうして気にかける人がいる、喜ぶ人がいる、 
ということが、 患者さんの自信にもつながっていくから。
 
反対に、先の見通しがたたず、落ち込んでいる患者さんがいたら、 
「症状が落ち着いて、明るい顔になれる日は、絶対くるからね」 
と伝えるようにしています。


たくさんの患者さんの回復過程を見てきたからこそ、伝えられる言葉です。




そんな課長でも、看護観がゆらぐ時期があったそう。

 
看護師長(課長の前の役職)になってすぐの頃ですね。
患者さんに対して、おごりが出た時期があって。


役職者になってすぐの頃は、決定権ができたことで、
病棟内でルール違反やトラブルを起こしがちな患者さんに対して、
強く対応することも増えていったのだとか。

いまの課長からは考えられませんが、
「自分の発言が、患者さんに影響するということに、気づけていなかった」
といいます。
ターニングポイントは、自身が病気を患い、入院生活を経験してから。

 
患者の立場になってみて、ああ、退院したいなって(笑) 
患者さんの気持ちがよくわかりました。
 
患者さんからも「トップだからって、上から物を言っていいのか」と
苦言を呈されたこともあって、少しずつ、変化していったように思います。


相手の立場を尊重し、上から目線ではなく、説得してわかってもらえるように。
そのような対応を心がけるうちに、患者さんへの接し方も、
現在のような ”対話型” に変わっていきました。

 
そうはいっても、規則違反を繰り返してしまう患者さんがいた場合、
憎まれ役というか、厳しく指導する人間も、やはり必要です。
 
看護師として忘れてはいけないのは、患者さんの立場にたつこと。
注意をしたあと、今度は別の看護師が、フォローをする。
「あの人がああ言ったのは、あなたのことを大切に思っているから」とね。
患者さんに心意が伝わりやすいですし、憎まれ役の立つ瀬もあります。


精神科の場合、自ら希望して入院してくる患者さんばかりではありません。
入院生活を後ろ向きに考えたり、治療に前向きになれない方もいて、
最初は、看護師に対して壁をつくる患者さんも、当然ながらいらっしゃいます。
 
でも「あのときの入院生活は、無駄ではなかったな」
後々、そう振り返ってもらえる日が来れば、よかったなと思うのだそう。
 
たまに、退院した患者さんから近況報告の電話があったり、
外来で「元気にしてます」「あの頃はこうやったですねぇ」などと
世間話する時間がうれしいんだよねと、目を細めて語っていました。
 
  
後編につづく
 

あらためまして、よろしく♩

  みなさんこんにちは。 回生病院のブログは、2011年に開設して以来、ずっとココログで投稿を続けていましたが、2019年4月より、こちらのBloggerさんにお世話になることになりました。   過去の記事は、2011年3月~2019年3月までの分は、これまでどおり、 コ...